https://www.sankei.com/politics/news/190403/plt1904030034-n1.html

いわゆる徴用工問題をめぐり、長崎市の端島(はしま)(通称・軍艦島)で過酷な戦時労働を強いられた朝鮮人だと韓国で流布している写真が、実際は戦時徴用とは関係がなく、昭和36年に福岡県内の炭坑で撮影されたことが3日、分かった。撮影者が産経新聞の取材に明らかにした。(奥原慎平)
天井の低い坑道に横たわりながら、ツルハシを使って掘り進む男性が被写体となった写真は、日本写真家協会名誉会員の斎藤康一氏(84)が撮影した。斎藤氏によると、昭和36年夏、筑豊炭田(福岡県)を取材で訪れ、炭坑内で採掘している男性を撮ったという。写真は週刊誌「新週刊」(36年10月19日号)=廃刊=などに掲載された。
戦後16年が経過していたため戦時徴用はあり得ず、斎藤氏は男性について「日本人だった」と証言した。
韓国メディアや韓国の書籍は、軍艦島での強制労働に動員された朝鮮半島出身者の実態を裏付ける資料として、この男性の写真を多用している。戦時動員した日本の加害性を訴える目的で設立された韓国・釜山の国立日帝強制動員歴史館もパネル展示した。
最近では韓国紙・朝鮮日報が昨年12月16日付(電子版)で「強制連行」について報じた記事で男性の写真を掲載し、「採炭作業を行う朝鮮人」と報じた。
いずれも斎藤氏に無断で使用された。斎藤氏は2017年7月に軍艦島を舞台とした韓国映画「軍艦島」の公開後、関係者を通じて自身の写真が誤用されていることを知ったという。当時、映画の広告映像は米ニューヨークのタイムズスクエアで上映され、映像製作に関わった韓国の大学教授は誤りを認めた。
斎藤氏は「自分が撮影したのは懸命に働く日本人だ。韓国側は自分たちの主張に都合のいいように扱っている。抗議する気にすらならない」と語った。
徴用工問題に詳しい九州大の三輪宗弘教授(経営史)は「韓国側では朝鮮人が過酷な労働を強いられたというイメージが先行し、十分な検証もせずに(写真に)飛びついてしまったのだろう」と話している。
韓国側が「強制連行」の証拠として主張する写真資料をめぐっては、韓国教育省が3月21日、小学校教科書に徴用工として掲載した写真の人物が日本人だったと認め、訂正する方針を明らかにした。
産経新聞は平成29年4月12日付朝刊「軍艦島 荒唐無稽な印象操作」の記事で、この男性の写真を収めた『目で見る筑豊の100年』(郷土出版社)の説明に基づき「明治中期の筑豊の炭坑の様子を写したものだという」として掲載した。その後の取材で撮影者が斎藤氏だったと判明した。
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2017.07.26 08:33

NYタイムズスクエアの電光掲示板に上映された「軍艦島の真実」広報映像。(写真=YouTubeキャプチャー)
今月3日から一週間、米国ニューヨーク(NY)のタイムズスクエア屋外電光掲示板を通じて上映された「軍艦島(正式名・端島)の真実」という15秒の長さの広報映像で、一部の写真が間違って使われたことが確認されて問題となっている。日本極右勢力が国際社会で強制徴用そのものを否定するための根拠として悪用する可能性があるとの懸念も出ている。すでに日本では韓国側が「印象操作」を通じて「フェイクニュース(偽ニュース)」を量産しているという主張が広がっている状況だ。
該当の写真は、炭鉱の中で横になって採炭作業をしている鉱夫を撮影したものだ。映像物では「軍艦島の本当の名前は地獄島」という内容の前に「120人が死亡した」というコピーとともに配置されていた。ところが写真の中の人物は強制徴用された朝鮮人ではなく日本人であることが確認された。しかもその場所も軍艦島の海底炭鉱ではなかった。
映像の製作と広報を主導した徐敬徳(ソ・ギョンドク)誠信(ソンシン)女子大教授も、中央日報の取材過程で「徹底して検証ができず、不本意なミスを犯した」と関連事実を認めた。
これに先立ち、産経新聞は該当の写真に関連して「端島ではなく福岡県筑豊炭鉱で撮影されたもので、時期も明治時代中期。朝鮮人徴用ではない」と伝えていた。その根拠として、写真が掲載された『目で見る筑豊の100年』という郷土写真資料集を提示した。
この写真が韓国に初めて紹介されたのは1990年代初期とみられている。京都にある曹渓宗(チョゲチョン)在日本総本山高麗寺が1990年出版した韓国語写真資料集『強制徴用“朝鮮人はこのように連れて行かれた』に写真が掲載されてから引用され続けてきた。
徐教授もこの写真資料集を再引用した『軍艦島、終わっていない戦争』(民族問題研究所)という本を参考にしたと明らかにした。
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